かいせん(疥癬)は、「ヒゼンダニ」というダニが皮膚の角層内に寄生して起こる感染症です。
ヒゼンダニは肉眼では見えませんが、皮膚の中で卵を産み、増殖することで強いかゆみや湿疹を引き起こします。
主な症状
- 夜間に強くなるかゆみ
- 指の間、手首、肘、わき、乳房、陰部などにできる小さな赤いブツブツ
- 掻いたあとにかさぶたや湿疹が広がることもあります
- 家族や施設内で感染が広がることがあります
高齢者や免疫力の低下している方では、ダニが大量に寄生する「角化型疥癬」となることがあり、
感染力が非常に強くなるため、注意が必要です。
感染経路
かいせんは主に皮膚と皮膚の直接接触によって感染します。
介護や看護、同居家族との接触、寝具・衣類の共有などでうつることがあります。
診断
かゆみや発疹の部位をダーモスコピー(皮膚拡大鏡)や顕微鏡で観察し、
ヒゼンダニや卵を確認して診断します。
皮疹の分布や症状から臨床的に診断することもあります。
治療
治療には、ヒゼンダニを駆除する外用薬や内服薬を使用します。
- 外用薬:フェノトリンローション
首から下の全身に塗布し、一定時間おいた後に洗い流します。 - 内服薬:イベルメクチン
同居家族や施設の方にも感染している可能性があるため、同時に治療を行うことが重要です。